注目企業・特集2020年11月号掲載
~イグスの製品 & 技術~
オンライン上の展示会で新製品を続々と発表
- コロナ後の未来を見据えた工場自動化を支援
- イグス(東京都墨田区錦糸1-2-1 アルカセントラル)
イグスのオンライン展示会の画面。
製品や人のアイコンを画面上でクリックすると
動画などで詳しい解説が見られる
2020年上半期―。新型コロナウィルスの蔓延によって人や物の動きが制限され、世界の経済は停滞を余儀なくされた。大勢の人が集まる展示会はリアルでの実施が困難となり、国内最大の工作機械の見本市「JIMTOF」も、今年はオンラインでの開催を開始。「JIMTOF2020 Online」として、2020年11月16日(月)から27日(金)までWeb上で開催される。
潤滑油不要のベアリングや耐摩耗性に優れたケーブル保護管など、高機能な樹脂製品を世に送り出し続けるイグスは、この状況を前向きに捉え、今年も新製品を続々と市場に送り出す予定だ。JIMTOFオンラインへの出展に加え、自社のサイト上(https://www.igus.co.jp/)にバーチャル展示会の特設ページを構築し、さまざまな製品の紹介に力を注いでいる。
工具不要でケーブル収納できる「E4Q/R4Q」
エナジーチェーンE4Q/R4Qシリーズは、
工具不要で手で開閉できるため、
作業工程の効率化に貢献する
今回の目玉となる新製品のひとつがエナジーチェーンE4Q/R4Qシリーズだ。工場で使用される工作機械や搬送装置などのケーブルを収納する事で、可動部での電力供給を簡単にするエナジーチェーン。複数のケーブルをまとめて収納し、組立も容易にできる。また、可動部でケーブルに掛かる負荷を低減して、長寿命化にも貢献するため、工作機械や搬送装置の導入による工場の自動化には欠かせない製品だ。
新しいE4Q/R4Qシリーズでは、蓋の役目となるクロスバーの開閉作業の際、従来、必要であったマイナスドライバーなどの工具を使わずに手で開くことができる工夫が施され、ケーブル収納がさらに簡単になった。また、エナジーチェーンの側面パーツの内側にあるクロスバーとの連結用突出部が減り、配線の出し入れもしやすい形状なので、作業時間と負担の軽減に大きく貢献する。エナジーチェーンはフリースパン走行での長いストローク向けに最適な製品。それゆえ、作業時間短縮がロングストロークにおいて想像以上の効果を上げることになるのだ。
36ヶ月間の無償交換保証「チェーンフレックス」
2020年の新提案となる
チェーンフレックスケーブルには、
36ヶ月間の無償交換保証があり、
安心して使用できる
イグスの新たな提案として、36ヶ月間の無償交換保証が付いたチェーンフレックスケーブルがある。チェーンフレックスは、エナジーチェーン専用の可動ケーブルのこと。異なる外被材質を持つ豊富な種類のケーブルがあり、高速、高加速、長ストローク、過酷環境下など、 様々な条件の用途に対応できる。現行のRoHS Ⅱ指令やREACH規則、UL、DNVGL、EAC、CTP、CE準拠で認証済み。また、あらゆるEMC規格を満たしており、 EtherCAT、CC-Link、CC-Link IE Field、Profibus、 Profinet 、Interbusに準拠した幅広いシステムでの使用が可能だ。
データ、バス、複合、制御、モータなど、可動用ケーブルとして1,300種類以上のラインアップがあるが、イグスの試験施設にある125の試験装置で実施される600以上のテストによる蓄積されたデータに基づき、寿命予測が可能となっている。その予測を踏まえて36ヶ月間の無償交換保証が設けてあり、過酷な環境でも安心して使用できる。
ロボットの動作に対応「トライフレックスR」
「トライフレックスR」は、
多軸動作に対応する3軸エナジーチェーン。
ロボットなどの過酷な稼働条件に最適
近年の工場では協業型を含むロボットが数多く導入され、作業の自動化や生産性の向上を図る企業が増加している。「トライフレックスR」は、ロボットの複雑な多軸動作に対応した3軸エナジーチェーンだ。多様な仕様条件が求められる6軸ロボット向けに開発され、ねじれ動作も含む、厳しい条件下でも快適に稼働を実現。ケーブルを押し込むだけで簡単に収納できるタイプや、飛散物がある環境に適したタイプもある。小型パレタイジングロボットから大型溶接ロボットまで幅広いニーズに対応できるため、工場へのロボット導入を助ける重要なアイテムとなる。
「新型コロナウィルスは世界の経済に大きな打撃を与えました。でも、社会の変化が新たな需要を創出しつつあり、視点を転じれば困難もチャンスに変えられます」とイグスの北川邦彦社長は語る。
従来の工場では多数の従業員が隣り合って作業を行うケースも少なくなかったが、感染対策への投資を前向きに捉え、協業ロボットの導入や工場の自動化に踏み切ることで、これまで逡巡しがちだった工場の改革も促進できる。ロボットとの協業により従業員の間隔を空け、遠隔通信による作業を可能にすることで、感染対策と生産性向上の両立も実現が可能だ。
イグスでは、低価格で導入可能な協業ロボット「デルタロボット」や「ロボリンク」、工場自動化に役立つ「スマートプラスチック」など、中小の製造業でも導入しやすい製品を数多く提案している。「今回の新製品が加わることで、中小製造業がコロナ後の未来に飛躍する手助けになれば幸いです」と北川氏は言う。コロナ後の飛躍を実現するため、まずは、イグスのバーチャル展示会を覗いてみてはいかがだろうか。